東京駒の流れを汲む最後の駒師、巨匠大竹竹風の作品です。
初代竹風(大竹治五郎)は木地師であった父とともに奥野一香商店の出入りの職人松尾某の家に駒木地を届けるうちに見
よう見まねで駒作りを覚えた・・と聞いています。「竹風」はまさに現在唯一残った東京駒の本流と申せましょう。
本品は作風・タッチが奥野一香の彫駒とソックリ(私のHP「ヤフーオークション終了分/奥野一香作奥野錦旗」をご参照くださ
いませ)。そもそも竹風は系列的にいえば奥野藤五郎(初代奥野)〜幸二郎(二代目)〜松尾某〜大竹治五郎(初代竹風)と
いう「奥野」の流れ。本作は治五郎が松尾師から駒造りを伝授されたころ、師の初期の作品と思料いたします(もちろん一般
的な判断基準の作者銘からも初代竹風の手に間違いないものと思われます)。
書体は治五郎が得意とした「昇龍」、明治の能書家昇龍斎の銘です。後に奥野錦旗に発展する書体です。
木地は薩摩黄楊柾目板目交。時代を経た駒だけが持つ独特の味わいがあります。全ての駒の表裏を私のHPにUPいたし
ました。是非ご覧下さい。
経年の割には状態は良いと思います。
余り歩は1枚です。
サイズ(縦*横*厚さ) 王将30.8*27.2*7.8 歩兵25.2*19.5*6.5
「治五郎」によく似合う駒袋と花梨葡萄杢の駒箱(古い駒の駒箱にたまに見かけるサイズですがもともとの用途はおそらく駒
箱ではないのではないかと思います、連盟の名人駒用の堆朱の駒箱がほぼこのサイズです、本来の用途はなんだったので
しょうか・・・)、加えて撮影に使用いたしました当社オリジナル・粋な内蓋付桐製とのこ仕上げ平箱が附属いたします。駒箱に
は経年相応の傷みがあります。
▲初代大竹竹風作昇龍薩摩黄楊彫将棋駒▲花梨駒箱駒袋平箱付
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