中村潜龍の雛駒です。この作品は気に入りました。作品としての完成度の高さ、希少性、用途・作者推定の面白さ・・・いずれもマニア好
みの一級品といえると思います。
雛道具用の駒にしては作りがシッカリしすぎています。おそらく携帯用あるいは旅行用に製作された「実用品」ではなかったか、と思いま
す。
「潜龍」の駒は盛上駒が金井静山、彫駒が大竹治五郎(初代竹風)の手によるものだと聞いています。事実とすれば本作は大竹治五郎
の作ということになりますが・・・。
彫駒はなぜか戦後は作られておりません。
書体は「昇龍」、明治の能書家昇龍斎の銘です。昇龍斎の本職は三味線弾き、明治の芸人の「粋」を今に伝える書体です。人気の「奥
野錦旗」「宗歩好」の原型となった書体といわれています。
木地は薩摩黄楊、柾目。
ほとんどしまわれていたようで古い物ですが経年の割には状態は非常に良いと思います。
余り歩は1枚です。
本作にピッタリの小ぶりの木画細工角箱(駒箱として製作されたものか否かは不明です、経年相応のハガレ等のイタミがあります)、将
棋盤(材質不明)が附属いたします。
▲希少雛駒 中村潜龍作昇龍書薩摩黄楊彫将棋駒▲将棋盤・角箱付
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