「建夫作」、冨士駒の巨匠大澤富月の若き日の銘です。
師が「富月」を名乗る以前、20年ほど前まで使っていた銘が「建夫」です。私も「富月」「東世」は多く見ましたが「建夫」はほんの数作を拝見
したのみです。貴重な作品です。
恐らくサビ漆(漆にとのこを混ぜて作ります)ではなく呂色漆を何度も重ねて埋めたものと思います。一般の「彫埋」とは一線を画した味の良
さ。
書体は「菱湖(りょうこ)」、幕末三筆と謳われた江戸時代の書家・巻菱湖の銘です。その華麗さから数ある書体のなかでも特に人気の書体
です。
木地は島黄楊、目の特に詰んだ自然木(植林ではない自生した黄楊)。全ての駒が板目(木裏)で木取されています。師の趣向ではない
かと思います。時代に磨かれた琥珀色。私のHPに全ての駒の表裏をUP致しましたので是非ご覧下さいませ。
使用されておりますが経年の割りに程度は良好です。
余り歩は2枚です。
サイズ(縦*横*厚さ) 王将32.4*28.6*9.4 歩兵27.4*22.8*7.6
撮影に使用いたしました内蓋付桐製平箱が付属いたします。
▲建夫作菱湖島黄楊彫埋将棋駒▲桐製平箱付
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