この盤はすごいと思いました。七寸の簾柾(すだれまさ、上から下へ木目の真直ぐに降りた天地柾を一部のマニアの方は「簾柾
」と呼ぶそうです)、私が実見した盤の中では屈指の迫力、名盤といえると思います。
もともと状態の良い盤でしたが3年ほど前に吉田流太刀盛で有名な吉田碁盤店、吉田寅義師に依頼して六面削り直し目盛り直
しを致しました。その後は使用いたしておりません。従いまして脚を除き「新品」です。
本作はアマ強豪の旧所有者様(出品者様)のご尊父が戦後間もない頃に旧宮家から譲り受けられたそうで(伝聞ですがその際
の宮家のご説明では日向産榧とのことであったそうです、ただこれほどの大木ですので私見では一般的には本州の榧と考えら
れますが・・・戦前には日向にかかる大木もあったのかもしれません)、戦前の製作は確実と思われます。これほどのサイズの簾
柾の盤を木取れる大木はもう日本には残っていないと思います。私のHPの「トウシン名品館」に掲載中の平井芳松の盤に雰囲
気は似ていると思いました。
脚は名工の手によると思われる手彫りクリ脚、ビラは一重、オオイレはありません。もちろん目盛りは吉田流太刀盛です。
両木口に時代シミ、木口のヒビ跡(しっかり閉まっています。一部は木端に至ります)、片木口の小さな葡萄状の埋木、他方木口
のハシリブシの埋木があります。いずれも私のHPにてご確認いただけます。
再生の際に盤覆(会津桐の高級品です)・盤カバーを吉田碁盤店にてあつらえました。盤覆の裏面に「一如(吉田師の号)」を署
名していただきました。3年ほど経過していますので盤覆は相応の変色等がございます。
サイズ 約42.4cm*約45.4cm 厚さ約21.2cm(7.0寸)
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