豊島・奥野と並ぶ東京駒の巨匠、初代大竹竹風の作品です。この駒は味がよい。気に入りました。
大竹治五郎は奥野一香商店の職人松尾某に師事、駒作りを修行したと聞いています。戦後夫人の郷里の新潟に移りましたが師の
東京駒の「こころ」は変わることなく現在も二代目竹風大竹日出男師に引き継がれています。
本作は作者名・書体等から初代竹風(大竹治五郎)の手による作品と思われます。
書体は「昇龍」。竹風は「昇龍」銘の書体を三種使い分けます。@一つは「昇龍斎」の筆跡とされる所謂「奥野錦旗」とほぼ同一の書
体(私の知る限り竹風はこの書体については全て「昇龍」銘で「昇龍斎」「奥野錦旗」という呼び方はしていないと思います)。Aいまひ
とつは本作の書体で「淇洲」に良く似た書体。B最後の一つは火焔を模したか、と思われるやや派手な書体で(私の知る限りですが)
雛駒専用の書体です(非常に珍しい書体です、私のHPの「トウシン名品館」に掲載しておりますのでお時間があればご覧くださいませ
)。二代目竹風の「昇龍」は@、初代竹風はA・Bでした。遠い昔、治五郎は師匠格の松尾から「昇龍」銘の字母紙を二枚託されました
。私見ではそれはA・Bではなかったかと考えております。
木地は薩摩黄楊だと思います、全ての駒の表裏を私のHPにUPいたしましたので是非ご覧ください。
シミ・スレ・変色等、経年相応に時代が付着しています。
余り歩は1枚です。
サイズ(縦*横*厚さ) 王将31.2*26.5*7.9 歩兵25.9*20.5*6.3
写真の榧の時代駒箱(時代相応の変色・天板のズレ等がございます)、重ねて撮影に使用いたしました内蓋付桐製平箱が附属いた
します。
トップページ オークション終了分へもどる