恩田勝哉作、御蔵島桑縮杢紐縁回拭漆仕上駒箱です。初めてご覧になるマニアの方も多いと思いますが、これはタイヘンな駒箱です。写真をご覧になるだけでも価値あり。
恩田勝哉、伝統工芸士。私は児玉龍兒師の作品のオリジナル高級平箱の制作でその名を知りましたが、実は江戸指物の伝統技術を現代に伝える名工です。主には和鏡台をはじめとする超高級家具の注文制作を得意とする先生です。工房は江戸指物のメッカ、東京台東区に所在します。
本作は師が親交のある児玉龍兒師の作品展のために制作した御蔵島桑縮杢の超高級駒箱で、特に杢が優れてる材(島桑の板)から二点制作した内の一点だそうです。
師独特のデザインのカマエ(持ち手の切り込み)に紐縁回し(もちろん削りだしです、この技法は私の知る限り駒箱では師と丸山昭斎の作品に見るのみだと思います)、仕上げは丁寧な拭漆。全ての面(底板を除く、底板は杢)に縮杢の入った逸品中の逸品です。手を離して蓋が閉まるまで約3秒ほどでした。私が実見した駒箱の中では最も感銘を受けた作品の内の一点です。以前から私のHPのトウシン名品館に掲載させていただいておりましたが今回やっと出品に至りました。貴重な作品です。
数年前に師から直接購入させていただきました。30万円でした。以来コレクションとして観賞するのみでしたので未使用です。もちろん新品同様です。
サイズ 約11.3cm*約11.3cm 高さ約7.2cm 肉厚(蓋)約4.0mm
オリジナル桐共箱・紙箱付きです。
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