とてもめずらしい四方木口の碁盤です。
四方木口については、吉田寅義著「碁盤将棋盤棋具を創る」に以下のように紹介されています。
「木取りされた材料を順に挙げると四方柾・・・(中略)板目まで都合6種であるが、この他に
古いもの(江戸時代)に四方木口という木取りのものもある。これは前記の木取りとは全然違ったスミつけとなり、木目の通りがななめに盤面にでている。この木取り法では四方の盤側に切り口(木口)が出るので、四方みな口であることから、魔除けの盤として珍重されたものらしい。(中略)四方木口は現行の盤と比較対照するには無理があり、むしろ骨董的棋具として評価するのが妥当だと思う。」
いづれにしても四方木口を木取りするには現行の盤の2面分が必要となり、カヤ材が豊富な江戸期にあっても相当に貴重なものであったと思います。
本碁盤は江戸期のものと思われる四方木口の碁盤を知人の碁盤師に依頼して修理、削り直し、目盛直しをしたものです。
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●○四方木口碁盤 日本産本カヤ五寸碁盤○●
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H氏蔵